インタビュー➀エンディングノートが 本人と家族にもたらしてくれるメリット

京都市で笑顔相談サロン®を運営する
当会の事務局長である小笹美和さん。

今回、他力本願.net 僧シャル見聞録さまから
取材を受けられましたので、ご報告させて頂きます。

※ここからは、「他力本願.netさま」のブログを引用

相続問題で不必要な争いが起こらないよう、
コンサルタントとして様々な活動に従事されています。

老後2000万円問題も記憶に新しく、
どこか「老い」に対する不安が漂う社会。
私たちは今何を考え、
どう行動することができるのか。
相続について考えることは、
自分の生や死に向き合う良い機会なのかもしれません。
今回は、生前の準備とは一体どんなものか、お話いただきます。


笑顔相続サロン® 小笹さんのインタビュー
笑顔相続サロン®京都 小笹美和さんのお話①


相続に事前準備は欠かせない


インタビュアー
(以下、「イ」)
:事前準備をしておくことで
防ぐことのできる問題はたくさんあるでしょうか?

小笹美和さん(以下、「小笹」)
:はい。事前に誰に何を渡したいのか、
気持ちの整理をしておくことが大切です。
家やお金や株や、相続財産といわれるもの全て、
どのように残したいのかということを
「いつか」ではなく「今」、考えておくんです。

気持ちの整理も、
対策も何もしないままで相続を迎えてしまうと、
あとは残された人たちが話し合いを
するしかなくなるんですよね。
その話し合いでは、たいてい揉めてしまうか、
もしくは誰かが進んで我慢するしかなくなるんです。


でも、表面的に争いが起こらなくても、
誰かが我慢してしまう状況というのは、
どうしても何か遺恨とまでは言わないまでも
わだかまりが残ってしまいがちです。

「あのとき弟があんなん言ってたし、私もしょうがなしにハンコ押したけど……でも……」


みたいな話はたくさん聞きます。


イ:そういった相続に関するご経験のなかから、
事前準備の重要性を感じられるようになったんですね。

事前の準備や対策というのは
どのように始めれば良いのですか?

小笹:まずは、
「私の法定相続人は誰?」ってところから始めます。
それがわからなかったら対策しようもないので。
わかっているようでも、カウンセリングを進めていくと

「え、あの人も相続人になるの?」
と驚かれるようなことも少なくありません。


エンディングノートが教えてくれるもの


イ:小笹さんは、そういった相続に関して、
終活セミナーなどを開かれているんですよね。

小笹:そうです。主にエンディングノートの
書き方セミナーを行なっています。
エンディングノートって気持ちの整理ができる
ものなんですよね。

いろんな項目が用意されていて、
人によって重きを置いていく場所が
それぞれ異なってくるんですよ。

例えば

「大切な人へのメッセージ」とかを書きながら
「ああ自分はこんなことを思っていたのか……
これを大切に思っていたのか……」

と改めて知ることになったり、
もちろん具体的に財産について書き込む箇所もありますし。


イ:残された人にとっては、とても助かりますね。

小笹:助かること、たくさんあります。

イ:エンディングノートは法的拘束力はないけれど、
それでも助かるというのは、
エンディングノートって
一体どういう役割を果たすものなんでしょう?

小笹:先程のお話と重複しますが、
私はエンディングノートって、

・自分の気持ちを整理する
・お金(財産)の整理をする

この2つのことを通して、
自分が誰に何を残したいのか、
ということを明確化するためのものだと思っています。


セミナーなどでは、

まずエンディングノートを書いてみることによって

「あ、私が死んだ後、こんなことを託していかなければならないんだ」


ということに気がついてもらうのが
第一歩だと思っています。


イ:たしかに、問題や課題の可視化ができますよね。
今、急に、自分の相続で発生しうる問題点を
言ってみろと言われても出てこないし、
なんだかぼんやりしています。

小笹:そうなんです。
ぼんやりしていらっしゃるんですよ、みなさん。

「子どもには準備しとけって言われるけど、一体何を準備すれば良いのか……」


とおっしゃる方はとても多いです。
問題点が見えれば、
おのずと次のステップも見えてきます。

あと、エンディングノートは
書くだけではなく、書いてあることを
伝えておくことも大切なんです。

エンディングノートは生前にも必要になる

小笹:エンディングノートって
いろんな項目があるんですけど、
死んでから見てもらえば良いところもあれば、
生前に見てもらわないといけない
ところもあるんですよ。

イ:たとえばどんなことですか?

小笹:終末期の医療についてであったり、
介護のことであったり。
あとは、自分で手続きができなくなったとき、
どうしてほしいかとか。

あれって突然言われたりしますからね。
「どうされます?延命治療は」って。

イ:延命治療などの医療同意は、
後見人ではできませんよね?

小笹:はい、もちろん。

イ:尊厳死宣言公正証書※
があれば別だけれども、
そういったものが無い場合は、
両親や配偶者、子どもなどが同意できますよね。
それよりも遠い親戚の方でも
医療同意は可能なんですか?
お身内が近くにいない方とか。

※「尊厳死宣言公正証書」とは、嘱託人が自らの考えで尊厳死を望む、すなわち延命措置を差し控え、中止する旨等の宣言をし、公証人がこれを聴取する事実実験をしてその結果を公正証書にするものです。(日本公証人の連合会ホームページより)



小笹:本当にお身内がいない場合は、辿ります。
例えば甥や姪。とにかく連絡が取れる人を探します。

以前関わったケースでは、
弟の妻、義理の妹さんに同意をしてもらった
場合もありましたね。
遠くに住んでおられたんですけど、
関西まで来ていただいて同意をしてもらって。

イ:そのように生前あまり縁がなかった人に
延命治療の決断をしてもらうとなると、
なかなか「もう延命はしないでください」とは
言いづらいような気がするんです。

小笹:そうですね、
命を託されてしまったようなものですからね。

イ:でも、ご本人の意思とは別に
延命されてしまうっていうのは問題だと思うんです。

小笹:そうなんです。
だからこそ、事前に意思を表明するなり、
誰に託すかを決めておくなりする必要があるんです。


エンディングノートの書き方と、
笑顔相続サロン®のサービス内容

イ:コンサルティングを請け負った場合は、
エンディングノートは一緒に書くんですか?

小笹:一緒に書きます。
喋りながら、いろんなことを明確にして
欄を埋めていきます。

「これはどうしていきたいの?」
「親戚のこの人は仲が良いの?月に何回か会う?」
「この人とは何年会ってないの?」

ひとつひとつ一緒に考えて、
誰に何を託すかを決めるお手伝いをします。
そのなかでさきほどの終末期医療についての
準備も相談します。
必要な場合には士業の先生に繋いだりしながら、
その人にとって必要なことを準備していくんです。

基本的には一対一でやります。
セミナーでは大人数に対してお話をするんですけど、
そのなかにサポートをしてほしいという方が
いらっしゃったら、一対一でやります。

イ:エンディングノートを
書くお手伝いをしてもらう、
そこには料金が発生しますよね。

小笹:はい。料金が発生するご契約以前に
ご相談と言う形でヒアリングをしますが、
それは料金はいただいていないです。
どういうサポートが必要なのか、
聞き取りをさせていただいたうえで
お見積もりをお出しして、
ご納得いただけたらご契約です。

エンディングノート作成を一緒にしながらの
見守りのサポートや遺言作成のサポート、
必要な方には死後事務まで契約させて頂いています。
もちろん、エンディングノート作成の
サポートだけも行っています。

イ:なるほど。ずっとお話をお聞きしていて、

エンディングノートって
健康診断書みたいだなと思いました。

どこが問題なのかを明確にするって、
健康診断みたいですよね。

小笹:そうです、そうです!
問題がいくつか出てきたとして、
それぞれを精査して「これは対応策を練ろう」
「これはそんなに大げさな対応はいらないな」と
いう感じで進めていくのも、健康診断みたいですね。


イ:さきほど「見守り」という言葉が出ましたが、
これはどういうことなのでしょう?

小笹:窓口になるんです。
病院の総合受付みたいなものというか……
症状を聞き出して、この方に必要な科は
どこだろうって考える。

「後見人ができる先生に繋ごう」
「この人は死後事務が必要だ」

とかを一緒に考えて判断して、
専門の先生にお繋ぎしていく。

その人のトータルの状況や気持ちを見ていくことで、
必要な対応を導き出していくという意味で
「見守り」と言っています。


イ:全てがぼんやりしていて、
問題があるのかどうか、あるとすれば
何が問題なのかさえわからないなかで、
制度を理解した人が
側で一緒に考えてくれるのは
本当にありがたいことですね。


ノートの項目を埋めることはもちろん、
その作業を通して「その時」のことを
話し合うきっかけができることも
大切なメリットだと感じます。

エンディングノートが、
ノートを書く本人やその家族に
もたらしてくれるのは、
思っているより大きいものかもしれません。

次回は、笑顔相続サロン®の役割について、
行政でのお仕事経験を交えてお話いただきます。
“僧侶ができること”についてもアドバイスをいただきました。

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