次世代へしわよせが(前編)

平成最後の・・・
何か想い出を残そうかなぁと考えている
社会整理士育成協会の鈴木です。

今日は、先日の日本経済新聞より
一部引用し、お話したいと思います。

私たちの人生や生活では、
複数のケアがどうしても
折り重なってしまいます。

それなのに、
戦後の社会保障制度は、
児童・障害・高齢者と対象別で、
ケアが重なった場合には使いにくいのです。
しかも、企業はこれらに対して、
視点が乏しい状況にあります。

主に挙げられるのが、
子育て・障がいをもつ家族の介助・
家族・親族の介護 などです。

ひとりっ子やひとり親には、
特にケア責任と負担が集中してしまいます。
高齢者介護・障がい児支援・子育て支援の
不足や経済的給付の削減により、
就業・育児・介護などの責任と負担が
極端に多重ケアの担い手が集中します。

また多重ケアの担い手が共働きの場合は、

①就業時間が短くなり所得が減ったり
②保育園の入所が不利となったり
③デイケアの終了時刻が
 保育園と比べて早すぎたり

で仕事の両立が非常に難しくなります。

さらに多重ケアの担い手が
専業主婦(主夫)の場合は、
育児と介護など、洗濯・掃除・調理を
こなすのに精いっぱいで、
かつ逃げ場がありません。
一時保育も満杯で利用できず
孤立しやすい状況です。

このような状態では、
燃え尽き症候群の危惧があります。

そして、貧困・低所得の場合は、
介護費用のため、
教育費用を削らざるを得ず、

労働時間を長くできず
所得が増えないのです。

マクロの人口動態からも
晩婚化・晩産化・高齢化が同時進行し、
複数のケアの重複可能性が高まるうえ、
その期間も長期化します。

多重ケアの担い手1千人を
対象とする調査によれば、
30代の2割が育児よりも介護が先で
今後も長期化が予想されるようです。

では、そのことで、
どんな問題が起こるのか?

極端にケア責任と負担が
家族に集中する

これは、かなり深刻な問題なのです。
縦割り制度の非効率が
多重ケア世帯の困難を招き、
生活の質低下や権利侵害の連鎖
(児童虐待・高齢者虐待・DV等)
も深刻です。

また多重ケアのために、
次の子どもをあきらめるなど、
少子化のリスクを高めています。

また保育制度は、
多重ケアを担いながら働くことが
困難な事態を想定していません。
雇用機会の喪失で生活困窮の
リスクを高めてしまいます。

そして、
仕事と多重ケアが両立しないリスクもあります。
ケア責任や負担が女性に集中しがちで、
女性が母・娘・妻・職業人の間で
ジレンマを抱えます。

女性の多重ケアの担い手は

介護よりも子育てを優先したい

傾向にあり、多重ケアを巡る
母性と娘性の葛藤があるのです。

そして、次世代へのリスク
子どもへの精神的・経済的なしわ寄せが
懸念されます。

学資保険を解約し、介護費に充てるなど、
社会保障費用の高齢者偏重の傾向が、
多重ケア世帯の家計でも起きており、
次世代への投資が抑制されています。


多重ケアもダブルケアから、
トリプルケアになりつつあります。

子育ても介護も仕事も必要です。

こうなると、
若者はどうしても
ネットビジネスやユーチューバ―、
投資家などの方向に
目を向けざるを得ないのではないかと
考えさせられます。

5Gが通れば、
家から出ずに仕事をする人も増加し、
子育て・介護・仕事のトリプルワークが
実現するのかもしれませんが、
何だか淋しい国になってしまうような
気がしてならないです。


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