ストップ孤立死
はじめに、孤立死の定義については、概念の話としての概念的定義と、現実世界で測定できるものとしての操作的定義を整理しておく必要があります。
孤立死の定義
当面、「誰にも看取られることなく死亡し、かつ、その遺体が一定期間の経過後に発見されるような死亡の態様」と仮置きした上で操作的定義の議論を先行とあります。
論点と基本的な考え方は、これからさらに検討が必要となっていきますが、当会が注目した点は、「死後経過時間」についてで、今後何らかの基準を設けるとのことが検討されました。
- 死亡場所:自宅を基本とする
- 自殺の扱い:孤立死は死因を問うものではないので、自殺は除外しない
- 年齢基準:幅広い年齢層を対象とする
- 死後経過時間:何らかの基準を設けることの是非も含め、幅広く検討する
(一部割愛)
社会整理士育成協会では、設立当初より「孤立死は腐敗状態で見つかる死、3日以上発見されない死」と定義しています。これは、特に夏場は3日を経過過すると腐敗が始まるためです。
これは、当会の運営会社(美鈴環境サービス)が、孤立死現場の特殊清掃や遺品整理に関わる中で、独自に定義したものであります。
「孤立死は、この世の中から無くなってほしい。」
「同じ悲しみを味わう人を、一人でも減らしたい。」
- 孤立死の現場で見たもの
- 玄関の前で泣き崩れるご家族
- 扉を開けることすらできない現実
- 丁寧に整理したくても、悲しみが深すぎて手につかない
- 借金があるかもわからず、相続放棄を決断するしかない
- 高額な特殊清掃費が発生し、どうすればいいのかわからない
- 自分で掃除と片付けを試みるもうつになってしまった
中には、親の亡くなった姿が一生背負うトラウマとなる方もいました。
「なぜ近くに住んでいたのに、見つけられなかったのか」と自分を責め続ける長男
財布と金銭価値のあるものだけ持ち去り、「あとはすべて処分してください」と言う家族
そして、当会がこの活動のきっかけになったともいえる言葉が、
「私たちと同じ思いをする人を、一人でも減らしてください。」
でした。茶目っ気なご長男が、泣き崩れながら発したこの言葉に込められた願いを、私たちは決して忘れることはありません。
孤立死を防ぐために、できること!
東京都区部のデータですが、グラフを見ると、男性と女性では孤立死の状況に大きな違いがあります。
令和2年の男性の年齢別データを見ると、孤立死の総数4,206人のうち、65歳以上の高齢者が2,702人で全体の約64%、65歳未満が約36%と、若年層の割合も意外と多いことがわかります。
一方、女性の総数は1,890人と男性よりも少なくなっています。そのうち65歳以上の高齢者は1,506人で約80%を占めていますが、これは全体の人数が少ないために高齢者の割合が相対的に高くなっていると考えられます。
孤立死の発見のきっかけは、音信不通が多く、特に近隣住民の通報によって発覚するケースが少なくありません。
また、戸建てよりもアパートやマンションで発生しやすい傾向があります。これは、男性と女性のコミュニケーション能力の違いが影響しているとも考えられます。
しかし、3日以内に発見されている人は、男性が約4割、女性が約5割と言われています。
この数字は決して悲観すべきものではなく、むしろ希望のある事実だと当会は捉えています。もし発見率が1割を下回るような状況であれば、より深刻な問題ですが、現状ではまだ改善の余地があると言えます。
当会では、「2日間、音信不通にしない」ことを意識するだけで、孤立死を防ぐための見守りが十分に機能すると考えています。
日常の中で、住民がさりげなく気にかけることに加え、地域・行政・民間企業が一体になって活動すること、そして費用がかけられる人は有償サービスを活用することで、孤立死は確実に減らせるものと思います。
孤独と孤立、そして孤立死は異なるものです
当会は、孤独だけでなく、孤立そのものを否定するわけではありません。
孤立とは、冒頭でも触れたとおり、客観的な概念であり、社会とのつながりがない状態を指します。
これは、長く続くと「社会的不健康」ともいえる状態になり、重度の認知症やセルフネグレクトにつながることもあります。
「だからこそ、孤立ではなく、せめて“かっこいい孤独”であってほしい。」
ここでいう「かっこいい孤独」とは、誰かに頼らないという意味ではありません。
自らの意思で選び、自分らしく生きる孤独です。そこには、充実した時間や心の余白があるはずです。
誰にも気づかれず、長期間放置される「孤立死」には、何ひとつ良いことはありません。
民法第85条(定義)で、物とは有体物、つまり形のある物。人間は有体物であるが物として判断されない。ただし死体は、権利の対象となる「物」として取り扱われる」とされています。
孤立死は、長期間の放置。つまり、モノになってしまいます。誰がそんな最期を望むでしょうか?


ひとり暮らしの方も、家族と暮らす方も、誰かとつながり続けること。
「ちょっとした変化」に気づくこと。それが、孤立死を減らす第一歩になります。
ストップ孤立死 ~今、私たちにできること~
美鈴グループの一般社団法人社会整理士育成協会は、ストップ孤立死に対する情報発信、そして現在、取組中のLINEでの見守りオールライト活動、毎日見守る有償オールライト(現在は京都市中心)を普及したいと思っています。
「もしものとき」に備え、一人でも多くの方が安心して生きられる社会を目指して。
私たちと一緒に、孤立死ゼロの未来を考えていきませんか?
もし、あなたの身近にこんな方がいれば、私たちにご相談ください。
- 一人暮らしで、最近連絡がとれないご親族がいる
- ご近所で、普段見かける方が急に姿を見せなくなった
- 見守りサービスに関心があるが、何をすればいいかわからない
- 自分自身が将来、孤立しないための準備を考えている
- 高齢の親の安否確認をしたいが、遠方に住んでいて難しい
孤立死を防ぐためには、「ちょっとした違和感」に気づくことが大切です。
そして、それを「何かおかしいかもしれない」と声に出すことが、孤立死を減らす大きな一歩になります。
- ストップ孤立死活動について知りたい
- オールライトについて聞きたい
- 見守りサービスに興味がある(2025現在:京都市中心)
- ひとり暮らしのご家族のことで相談したい
あなたの一歩が、大切な命を守るきっかけになります。
どうか、ひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。